毎日小さな幸せの種を探して 思いつくままにぽつぽつ綴っていきます☆
荊の城 下巻 読みました

   荊の城 下巻


「このミステリがすごい!2005年 海外編 第1位」に輝くだけあって
もう読者は このストーリー展開に翻弄されてしまいます。


自分用の記録ですので ネタバレあります、ご注意ください。

上巻は
19世紀半ばのロンドン。17歳になる孤児スウは、故買屋の一家とともに暮らしていた。
そんな彼女に顔見知りの詐欺師がある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、
その財産をそっくり奪い取ろうというのだ。
スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウはためらいながらも、話にのることにするのだが……。
                         Amazon より引用

近所の赤ちゃんを預かって生計を立てているサクスビー夫人のもとで
「おまえの母親は人殺しで 吊られたんだ」と教えられて育ったスウ。
生活の足しに 掏摸をして暮らしていました。

上巻ではそんなスウが 顔見知りの詐欺師 通称<紳士>と共に
令嬢の住むうらぶれた 田舎の古城・ブライア(英語で荊棘)城へと向かいます。
そこでの 生活を スウの視点からと 令嬢・モード・リリー 両方の視点で語られています。

そして 上巻の最後。
スウは自分が モード・リリーを欺いて財産を奪うと信じていたのに
3人で馬車に乗ってロンドンへ向かう途中、スウだけが精神病院で下ろされ
置き去りにされたのでした。
騙されるはずのモードが<紳士>とロンドンへ。
そして スウは精神病院でモード様と呼ばれ 
自分がスウだと主張しても聞き入れられず 絶望のどん底へ…。

大どんでん返しで 立場が逆転してしまって 
これからどうなるの~~~????という所で上巻が終わりました。




下巻では
ブライア城から3人(モード・リリー、<紳士>、スウ)で逃亡した夜から、の詳細が
モード・リリーの回想で語られています。

ブライア城の家政婦 スタイルス夫人宅に身を寄せた3人のもとに
精神病院の医師が訪れ モードとスウを診察しました。
この時 すでに計画は始まっていて モードは「侍女」のように振る舞い
何も知らないスウを
「侍女のふりをしている気がおかしくなった奥様」に仕立て上げたのでした。

ロンドンに向かう馬車、実は患者護送用の馬車だったのです…酷いわ

スウと入れ替わったモードは ロンドンの下町にあるサクスビー夫人の元へ。
そこで <紳士>から この計画はサクスビー夫人が立てたものだと知らされます。

「私はおまえの母親を知っている」というサクスビー夫人に
「私の母は精神病院で私を産み落として亡くなった」と信じているモードに
残酷な事実が告げられます。

実はサクスビー夫人は赤ん坊の売買をしていました。
堕胎時期をすぎてしまった若い貴婦人の妊婦が
産婆の紹介で来て 産み落とした女の赤ちゃんを、スウと名付けました。

貴婦人の父と兄が彼女を引き取りに来た時に
貴族の暮らしで苦労しないでのびのび育つようにと 
我が子スーザン(スウ)を サクスビー夫人に託し
代わりに別の赤ん坊を連れて帰ったのでした。
実はその連れ帰った赤ん坊こそが令嬢モード、
サクスビー夫人の元にいた赤ん坊(母親は人殺しで絞首刑)という事でした。 

なんということ!
スウを陥れたと思ったら 今度は自分に
こんな事実をいきなり突きつけられるなんて…!
17年間信じていた自分の出自が覆るのですから!!
事実を受け止められないモード。 読んでいて苦しくなります。

運命に翻弄される モードとスウ。
モードはサクスビー夫人のもとから、
スウは精神病院から、 それぞれの逃亡の様子が
もうジェットコースターノベルのようです。

モードは 悪党が集う サクスビー夫人の家から靴も履かずに逃げ出し
自分が7年間暮らしたブライア城を度々訪れていた ホートリー氏を訪ねて行きます。
右も左もわからない 世間知らずのモードが必死の思いでたどり着いた先は
ホリウェル街(卑猥な本を出版する店が集まる)だったのです。

突然の訪問にホートリーは困惑し、「見捨てられた貴婦人の慈善施設」へと
モードを送りますが モードは、自分のシルクのペチコートを売って 
馬車賃にして、仕方なくサクスビー夫人の家へと戻ります。
どんなに 嫌なところでも 今の自分にはそこしか居場所がない。
絶望の中に戻っていったモード。 モードの気持ちを考えると胸が詰まります。

もうひとり 絶望の中にいたのは 精神病院に入れられたスウ。
誰も自分を信用しない、端から間違ったことを口走っている、と決めつけられる。
自分が本当に 精神をやられるのではないかという恐怖と闘いながら
看護婦にいじめられ 水風呂に落とされるお仕置きなども経験し
生きる力を失いそうになっていた時
ブライア城で下働きをしていたチャールズが 病院を訪ねてきます。
一条の光が射し込んだのですっ!!
そこで 一気に脳が覚醒したスウは 見事なまでの計画で
病院を抜け出すことに成功します…

と言っても この件は、なかなか強引かつ性急な展開で
そんな事ってある? 都合良すぎじゃない?って思いました。
う~む 考え中

盗みならお手の物のスウは 精神病院の服を捨て
空き巣に入った家でドレスと靴を盗んで身につけロンドンの
サクスビー夫人の家を目指します。

いきなり帰っては危険だと感じたスウは近くに宿を取り
窓から外を見ると サクスビー夫人とモードが仲睦まじくしています。
自分を裏切り 嵌めておきながら 今度は自分の母親にまで取り込んでいる…
逆上したスウは ついにサクスビー夫人の家に乗り込みます。
モードを殺すつもりで・・・

緊迫した会話が繰り広げられているところへ
スウが脱走した精神病院の医者からの手紙を携えた<紳士>がやってきます。
本当に<紳士>とは名ばかりの悪党です。
とんでもないことを口走る彼のお腹にナイフが…
一瞬の出来事。
警察には サクスビー夫人が自首して事件に片がつき
サクスビー夫人は 絞首刑になりました。

スウは、サクスビー夫人の遺品を受け取ったのですが
事件の夜着ていた タフタのドレスが出てきました。

ドレスの胸のあたりにガサガサと音を立てるものが…
それは 18年前に スウの実の母親(若き貴婦人)の書いた手紙でした。

18歳の誕生日に開封すること、とされていて

真実が語られていたのでした。

驚愕の真実発覚! 

二人の赤子を入れ替えて
18年育てたら その報酬は サクスビー夫人に支払われる。

サクスビー夫人は我が子を 遠いブライア城へ送り
他人の子供を育てた
すべて お金のために。

そして 約束の18歳の誕生日の少し前に 
本物の我が子を取り返す計画が実行に移されたのでした。

本当の我が子 ブライア城にいるモードを取り戻し
スウをモードの代わりにする計画。

一番の悪党は サクスビー夫人なのか。

全てが終わって スウはブライア城に行ってみました。
そこには 行方が分からなくなっていたモードが帰っていて

二人の未来に少しだけ明るい光が射し込んで 終わり♪

すごいわ~、下巻!!
読みながら 主人公たち(スウとモード)に感情移入したら
本当に疲れてしまいました・・・

時代が19世紀なかばのイギリス、ということで
ものすごく想像力を掻き立てられます!
当時の服装や 生活様式を想像するのも楽しいです。

Anton Peck(アントンペック)の絵のような世界かな?

普段 あまり海外作品は読まないのですが 面白かったです。^^


◆関連記事
荊の城 上巻 読了♪ 2017.4.2


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【2017/04/26 23:29】 | BOOK
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カメラが撮えた幕末300藩 藩主とお姫様  読みました。

藩主とお姫様

どの国のいつの時代でも
政権が転覆する時 時代が大きく変わる時が
興味深くドラマチックですよね。

フランス革命しかり ハプスブルク家の終焉しかり。

そして 日本が長い長い江戸時代が終わり
明治とともに近代国家へと変貌する激動の時代を生きた人たちを
カメラが捉えていてすごく面白い本でした。

ちょんまげ、日本髪 羽織袴の日本人が
西洋文化の影響で 
男性は山高帽子 革靴 スーツ
女性は鹿鳴館でみかけたようなドレス着用

少しずつ馴染んでいったのではなく 
いきなり 劇的に変わっていく時代に翻弄された人たちも…

著者は 一人ではなく 時代や人物によって詳しい人が書かれています。

文学ではなく 写真を楽しむ一冊。

写真は正直で リアルに時代を切り取りますから
教科書に載っていることだけじゃなく
日常にこういう姿があったんだ、と血の通った幕末維新、
文明開化を観ることができました。

カメラが撮えた幕末300藩 藩主とお姫様

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【2017/04/04 23:59】 | BOOK
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荊の城 上巻 読み終えました。

CWA(英国推理作家協会)最優秀歴史ミステリ長編賞(ヒストリカル・ダガー)受賞作品
「このミステリがすごい!2005年 海外編 第1位」

         荊の城上

3月10日付朝日新聞夕刊に 「後味カラ~イ 韓流最新作」の見出しで
3本の映画が紹介されていて その中の一本「お嬢さん」の原作です。
本国イギリスではBBCでドラマ化されています。

英国の女流ミステリー作家 サラ・ウォーターズはレズビアンだそうです。
今、知りました。
そういう描写がでてきます、なるほど。

19世紀なかばのロンドン 17歳になる少女スウは下町で
掏摸をなりわいとして暮らしていた。そんな彼女に顔見知りの詐欺師が
ある計画を持ちかける。
とある令嬢をたぶらかして 結婚しその財産をそっくり奪い取ろうというのだ。
スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウは迷いながらも話にのることに…

                                裏表紙より


自分の記録用ですのでネタバレあります、ご注意ください。

第一部は、「あたし」=スウの視点から描かれています。

スウの母は人殺しのかどで絞首刑になり
孤児になったスウは 犯罪が横行する下町で気のいいおばさんに育てられました。
そこへ 一攫千金を狙う 元貴族の詐欺師 通称「紳士」が現れ
令嬢をたぶらかして 結婚し 財産を手にしたら
その令嬢を とっとと精神病院にぶちこむのだ、そのためには
侍女役の スウの助けが必要だ、分前は渡す、と。

ロンドン郊外のマーロウという村の古ぼけたお城に住む
無垢な少女・モードのお世話をするうちに 
騙す相手では無く 一人の女性として 親しみ以上の感情を覚えていきます。

「紳士」の入念な計画と手引で 紳士とモード、侍女役のスウは
夜中にお城を抜け出し 教会で結婚式をあげます。
紳士は モードの相続した莫大な財産の為に
モードは お城の中で権力を持つ変人の伯父の束縛から逃れるために。

結婚式の後 馬車が立ち寄った精神病院で モードが降ろされるはずが…
降ろされたのは 侍女役のスウ。
馬車は スウを置いて去ってしまいます。
真実を訴えても 看護婦に聞き入れられず
「紳士」に騙されたことを悟ったのでした。

大どんでん返し! 

騙していたつもりが 騙されていたとはっ!! 

第二部は 第一部で語られたことが
「わたし」=令嬢 モードの視点でもう一度語られます。

血筋はよかったものの モードの母は精神を病んでいて
精神病院でモードを出産して亡くなりました。
モードは、その精神病院で看護婦たちに育てられました。
10歳になったある日 母方の伯父 クリストファー・リリーという男が現れ、引き取られました。

陰気でうらぶれた 田舎のブライア城で 使用人と静かに暮す日々。
伯父の仕事は表向きは 学者で通っていましたが
破廉恥な本の蒐集家で モードを秘書にするために引き取ったのです。

自分勝手なルールを作って、守れなければ 体罰で従わせる地獄のような日々。

お金が目的の結婚だと知っても 監獄のような日々から逃れたくて
「紳士」に付いていくことに決めたモードでしたが…

それは 女同士の秘め事を経験したモードには スウを裏切る行為でもあったのです。

陰鬱で時間が止まったようなお城で
意地悪で怖いお城の家政婦や
変な趣味で 独裁者のようにふるまう伯父と暮らすモード。

ハリーポッターのホグワーツ城をもっとみすぼらしくした感じ?
荒涼とした 寒々しい風景が脳裏に広がります。

見えない鎖に繋がれていたモード嬢が
「紳士」に連れられて自由を得た後 どうなっていくのか?

精神病院に入れられてしまったスウの運命は??

結末が気になってしょうがない!!

早く下巻を読みた~~い!

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【2017/04/02 23:47】 | BOOK
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面白かった!
もりや 
とってもハラハラドキドキのストーリー展開、すごく読みやすいのに心理描写も過不足なく たいへん素晴らしい訳文でした。こんな面白い本をご紹介くださってありがとうございました。

Re: 面白かった!
happy
もりや様

もう読まれたのですね!

すごいストーリー展開でしたね、もう息をも吐かせぬ、という感じで。
いろんな伏線が張り巡らされていますし
19世紀のイギリスの雰囲気を想像しながら読むのも楽しいですね。

私は あともう少し…



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火怨 北の耀星アテルイの下巻を読みました、ちょっと前にね~w

    aterui 2


で、感想書くのだるいからって 放っておいたら
星組公演「阿弖流為」の一部配役出ちゃったよ‥

明日は 花組全ツ観に行くから 今日のうちに書いとこ。

本は図書館に返してしまったので うろ覚えで
間違ってたらごめんなさい。

サクッと簡単に書いときます。

下巻 阿弖流為らは都へと上り 天鈴に匿われながら
都を見てまわり 内裏?へ入る門の上に上り都を一望、
その大きさに朝廷の力を目の当たりにしました。

阿弖流為と田村麻呂は 物部天鈴の屋敷で
蝦夷の今後について話し合うものの
阿弖流為は 蝦夷はその誇りにかけて戦う、と
言い放ったのでした。

都の人々は蝦夷を「鬼か獣」のように思っていました。
朝廷は、蝦夷をオソロシイ物に仕立て上げ
蝦夷を討伐することで民にその力を見せつけ 威信を得ようとしていたのです。

蝦夷の長の中には 朝廷と手を組もうとするものもいたり
一枚岩ではないのが悩ましいところ。
奥州は広い、蝦夷の心をひとつにすることに苦心していました。

策士で軍師の母礼の働きもあって 奇襲や
様々な作戦はことごとく阿弖流為らに勝利をもたらすのです。
(ちょっと出来過ぎ)

それでも 戦の度に多くの命が失われることは
果たして 蝦夷にとっていいことなのか…

かつて 「今まで戦いで死んでいったものたちの命を無駄にしない、
最後まで戦い抜く」と決めていた阿弖流為が

我らの死は蝦夷の道標ぞ!とまで言った阿弖流為が

蝦夷の未来の為に 自分一人が犠牲になって 降伏することを決めるのでした。

その決意は断腸の思いだったのではと
阿弖流為の心中を察すると胸に迫るものがあります。

お帝が同盟を結んだ蝦夷たちの罪をすべて白紙に戻されたことだ。
阿弖流為以外は敵にあらずと明言召されたこと

                                  本文より

阿弖流為は側近の者以外罪に問われないように動いて
母礼と二人 田村麻呂に従い都に上ります。

田村麻呂が 死刑を免れるよう進言しましたが受け入れられず
酷いやり方で刑が執行されました。

刑が処せられた後、人々が去ったところで田村麻呂は
乾いた土の上に転がった阿弖流為の唇にそっと触れ
お酒で湿らせてあげるのでした。

同じ時代に生き、同じように志を強く持つ者同士
戦わなければならなかった運命が惜しいです。

蝦夷の熱き魂が息づいている作品でした。

地名がたくさん出てくるのですが 位置関係が分からず
いまひとつピンと来ないのが残念でした。

わかる地名が・・・気仙沼ぐらい。

東北の方なら あぁ、あこっneko_hirameki_2016041823421355e.gifて わかるのでしょうか??

◆関連記事
火怨 北の燿星アテルイ 上巻を読みました♪ 2017.2.12 


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【2017/03/19 23:42】 | BOOK
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辻村深月著 朝が来る 読みました
本屋大賞 5位の作品です。

朝が来る


先日特別養子縁組の制度を悪用した詐欺事件の犯人が逮捕されました。
「特別養子縁組」…あまり縁のない言葉でしたが
私の中で急にクローズアップされました。

丁度そんな時に この本を読みました。

自分の読書記録のため ネタバレあります、ご注意ください。


どうしても子供が欲しいのに授からない夫婦と
育てられない命を授かった母親を取り持つ制度。

双方にありがたい制度なのです。

栗原佐都子と夫の清和は 共に40代
幼稚園に通う一人息子の朝斗と幸せに暮らしていたのですが…

ある日 無言の電話がかかり始めます。
事件のかほり・・・

そんな中、幼稚園でのトラブルでマンション内で嫌な思いをする佐都子。
ドラマ「砂の塔」を思い起こさせるような事件も起こります。
ママ友の言葉に傷つき 巻き込まれた子どもたちも遊べなくなってしまうような…

何度目かの電話で 無言電話の主がか細い声で話しかけてきます。
なんと 朝斗の実母からだったのです。

朝斗は特別養子縁組制度で 赤ちゃんの時に 清和と佐都子の元に来ました。
実母とは 連絡を取らないという約束が交わされていたにもかかわらず
何故か、生みの母である「片倉ひかり」から電がかかって来たのです。

朝斗を返して欲しい、それが駄目ならお金が欲しい、と。

脅迫…??

夫婦は生みの親 片倉ひかりに一度だけ会ったことがありました。
当時まで中学生14歳のひかりは
ありがとうございます、この子をよろしくお願いします、と泣きながら必死で訴え
子供が大きくなったら読んで欲しい というお手紙も添えていました。

実母・片倉ひかりが今になってそんなことをするだろうか?
疑問を抱く佐都子は一度会ってみることに。

佐都子の家に現れた「片倉ひかり」と名乗る若い女は
手入れの出来てない髪や 疲れた服装に
とても 6歳の朝斗を引き取って暮らせる余裕はなさそうに思うのだが…

この女は一体誰なのか??

女性が現れた一ヶ月後、警察が女の写真を持って聴き込みにきます。
佐都子は警察に逆質問、「この人は一体だれなんですか??」

一気にミステリー色が強くなり 怒涛のごとく一気読み!
夜更かししてしまいました。



共働きの栗原佐都子と清和夫婦が子供を持つことを考えた時には
妊娠もうまくいかず 遠方まで不妊治療に通うことになるのですが

その肉体的、精神的、経済的苦労は 計り知れません

そして 夫の無精子症が判明。

顕微鏡受精にも挑戦するものの あまりにも負担が大きく
二人で行きていこう、と決意します。

そんなある日テレビで特別養子縁組を仲介する「ベビーバトン」と言う存在を知り、
佐都子も登録します。

そして、ついに初めて
軽くて柔らかくて 髪の毛がほわほわの赤ちゃんを抱いた日、

終わりがない、長く暗い夜の底を歩いているような
光のないトンネルを抜けて。
永遠に開けないと思っていた夜が、今、明けた
この子はうちに朝を運んできた。
」       本文より

本のタイトルはここから、ですね。

栗原家に朝を運んできた朝斗の、生みの母の転落の人生。

もてないタイプを自認してたひかりを可愛い、と言ってくれた同級生の巧。
まさか…でもちょっと誇らしい思いで付き合い始めます。
ひかりが、まだ初潮も迎えていないと知って 避妊もせずに
若さに任せてやりたい放題やっていたら・・・
気がついた時には もう堕胎できないところまで来ていました。

ひかりは お硬い両親(ふたりとも教師)が大嫌い。
自分はこんなに人生を楽しんでる!と親を見下してもいました。
こっそり 親の知らない秘密を持つ愉しさを満喫していたのです。
それが裏目にでてしまいました。

ひっそりと特別養子縁組を仲介する「ベビーバトン」が用意した施設で出産しました。
ひかり、まだ14歳、中学二年生でした。

他の入所者はキャバクラの客の子供を身ごもって
早く産んですっきりして 働きたい、という女性が多く
大好きな彼氏の子供を生むんだ、というひかりは変わり種です
出産までの毎日、生まれてくる赤ちゃんに手紙を書いて過ごしていました。

生まれた子供はすぐに 栗原家に引き取られ 自分は元の中学生活に戻りますが

元カレの巧とは 話をしたけれど以前のような熱い思いもなく 関係は自然消滅。
親との折り合いの悪い実家では衝突ばかり。

バイト代や 親の財布から抜いたお金で
「ベビーバトン」のある広島へ家出。転落の始まりでした。

ベビーバトンでは、少しの間雇ってもらえたものの 
(この間に 栗原家の個人情報を盗み見る)
3ヶ月後には解散が決まっていたので
代表の浅見さんから 住み込みでも働ける新聞配達の仕事を紹介してもらいました。

住み込みの部屋で一緒になった女性がかなりの悪で
勝手にひかりの名前でお金を借りたために
借金の取り立てにチンピラが毎日のようにひかりのところにやってきます。

お世話になった新聞屋さんに多大な迷惑をかけて
逃げ出し 
東京でようやく 住み込みでホテルの掃除にありついたのもつかの間
草の根かき分けても探し出すヤクザは
そのホテルにまでやってきて 50万の借金の返済を迫るのです。

払う必要が無いことも、警察に相談することも知らないひかりは

結局ホテルの金庫の50万を盗んで支払ったものの 犯罪その1
見つかって 
ホテルに返すために今度は 栗原夫妻を脅迫する 犯罪その2

悪のスパイラルから抜け出せず!

激動のひかりの人生は 本当に読まされた、という感じ。
スピーディな展開に、
もうページを繰る手が止まらず!!
一気にラストまで~~~!

栗原家のリビングで 
片倉ひかりは、出産当時の自分が、いかに子供を思っていたかを佐都子から聞かされて
今の自分は堕落してしまったけれど
この家には 中学生で純粋だった 本当の片倉ひかりが生きている、と感じたのでした。

あの子を生み 迷い 葛藤しながら 朝斗を二人に託した
あれが 私 片倉ひかりだ。
自分が泣きながら この子をよろしくお願いしますと叫んだ、
その願いどおり 佐都子は6年間立派に育ててくれた…

私は片倉ひかりではありません、ごめんなさい、と謝って飛び出してしまいます

歩道橋の上で 自分の来し方を思い出し
自分はもう、どこにも必要とされていない 行き場がない
もう、人生を終わりにしようかな…と思った時
背後からドンと衝撃が…

佐都子が追いかけてきて 抱きしめたのでした。

あなたが本当の朝斗のお母さんだって気付かなくてごめんなさい。
二人は抱き合って泣いています。

そんな二人の母を朝斗はじっと見つめていたのでした

最後の描写は美しく切なく泣けます。
読後感爽やかです、が…


Amazonの評価は星ひとつが多いです。

実際 不妊治療されて 特別養子縁組をされた方
しようと考えてる方は 「違う」と思う部分が大きいようです。

また、この作品によって 違った認識が世間に広がることを危惧されてもいます。

また、私は観てないのですが ドキュメンタリー番組が放送されたそうで
その内容に酷似している、との指摘も…。

血は水よりも濃い、ということわざがDNA的に親子であるけれど

たとえ血の繋がった家族であっても 互いが
「家族であろう」としなければ 家族とは名ばかりで

血がつながっていなくても 互いが家族と認め合って
心から信頼しあえるならそれは家族なんだと思います。

「家族という病」を書かれた 下重暁子さんに教えてあげようか? 


この作品もドラマ化されてたのですね。
面白そうな作品って、大概ドラマ化されてるわ

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【2017/03/17 23:22】 | BOOK
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